書道用筆 武林邵芝巌 小号 山馬書画提筆 の書き味がとても良いことについて
書を長年やっているとやっぱりこの筆が良いとか、この墨がいいとか、だんだんと好みが出てきます。
私にとってはこの筆が非常に心地よく、ここ11年使い続けています。この筆と出会ってからはなかなか浮気出来ないでいたのですが、最近少しづつ色々試している今日この頃です。
さて、この筆「武林邵芝巌 小号 山馬書画提筆」(読み方不明)は書の教室の先生のおすすめで使い始めたものですが、同じ筆がいつも用具店にあることはまれです。どうして探し始めたかといえば、理由は簡単。へたってきたのです。数本あったものがとうとう最後の1本に。。。
そろそろ限界です。
最初はさまざまな書道用具点を回り、毛の種類やサイズを見ながら物色していたのですが、らちが明きません。同じ書き味の筆なんて早々見つかるものではないことを痛感していたのですが、長らく見つからず終いでした。
ところが最近ネットで検索していたらひょっこり見つかったのでびっくり。お試しに購入してみたら同じ書き味だったので、これでようやく再入手出来ます。
で、いろいろと探すうちに、筆の世界も色々なのだとわかり始めました。
ちなみにこちらの筆は、「武林」と書いていますので「杭州」を指します。
つまり中国は杭州のメーカーということになります。有名なのは上海工芸ですが、杭州の筆も結構一大勢力なのですね。他にも北京あり蘇州ありとメーカー別に特徴があって面白い。
でもってこの筆の書き味なのですが。一言で言えば硬めで楷書向き。となります。行書も硬めに仕上がります。
羊毛使いの先生に習うとどうしてもやわらかい羊毛ならではの筆線がでるのですが、現在通っている教室はかっちり系の楷書がメイン。お手本も松本芳翠先生のもの、唐代の楷書をベースにした端正な筆勢が特徴の書家です。
それがこの筆とベストマッチ。がんがん使いやすい価格も魅力で、非常に助かります。
こちらのお手本は銀座の鳩居堂にて入手可能です。色々探しましたが、東京都内ならここ。
もちろん日本にもご存知の呉竹やあかしやを筆頭にたくさんの製造元があり、そのディープさについついはまりそうになります。ただ日本のメーカーの場合、実は中国製なんてこともあるので、気をつけるに越したことはありません。
もちろん日本人職人の手による筆は値段をみれば一目瞭然。つまり高価です。もちろん私は職人製のものではなくメーカーの工場生産品を主に使っているのですが、、、それも中国製。
まあ、気にし始めるときりが無いので、そこまであまりのめりこまないようにしていますが、書芸をたしなんでいる間はそうも行かないでしょうね。でも一定のブレーキを踏んでおかないと、際限が無くなりそうで怖いです。
「武林邵芝巌 小号 山馬書画提筆」はこちらでネット購入できます。