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Consideration of an office worker living in Tokyo

長時間労働 裁量労働制と年功序列の比較

う〜ん。電通の一件で長時間労働が問題になっているけど、案の定マスコミは総攻撃かと思ったら、意外な展開だ。つまりマスコミ自身のオピニオンとして出しているところ、見かけましたか?
一応触れているし、コメントも添えられて入るものの、遠回しでなんか奥歯に挟まったような言い方。そしてその代わりとばかりに、反対派の意見をしれしれと報道している。

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 (夕暮れの東京。ブラック企業時代はここから夜の部がスタートって感じでした。)
 
そりゃそうでしょ、マスコミそのものが長時間労働の巣窟なのだから。まあ、広告・放送も同じくくりですよね。タイムテーブルに26時とか書いてあってもね。感覚が違う。
そもそもマスコミは例外があるかもしれないが、通常は裁量労働制の労使契約だ。で、この裁量労働制って何かといえば、労使契約によって、1日の労働時間を固定するっていうものなんです。例えば1日何時間働いても、日当たり10時間働いたことになるってことです。その時間を契約で縛るわけです。そして大体の場合、成功報酬制とリンクしているところが多いのではないかと思う。
かくいう私もその契約の餌食になったことがあり、それまではスポーツニュースのプロ野球の契約更改で記者会見などで毒吐いている選手のインタビューを見るたびに、他人事だったのが、突然彼らの怒りが手に取るようにわかるようになったのです。金額こそ違えど、年収やボーナスの交渉をする度にいや気がさし、その会社からさっさと転職してしまいましたが、日本のダメな部分(評価が下手くそという意味で)が本当に出ていると思います。
だからと言って年功序列もダメダメなんだけど。。。
 
なんで外資系の給与が高いのか
不思議に思ったことありませんか?よく、外資系って聞くだけで「給料高いでしょ」なんて話を内輪ですることがあるのではないでしょうか。構造を単純化するとすぐに納得できるでしょう。
①基本的に社内で働いていない人間がいない(電通は該当しますね)
だから働いていない人の分は給与として分配できるのです。常に2割〜3割新陳代謝(入れ替え)していれば、基本的に即戦力で出来る人間で組織されるのです。だからただの年功序列で1000万越え何てことはありません。常に結果出しているかどうかが重要なのです。その分日本のように足の引っ張り合いというよりも、自分の実力UPのための努力には、リスペクトする点はあります。
とどのつまり、結果を出せない人間は退場です。もちろん契約の範囲で。だから日本みたいにペラペラの契約書ではありません。きちんと条件が記載されています。そうでないと裁判で争えないからです。
②①の契約書には成果の査定方法が記載されています。なので下手するとボーナスがなかったりするし、逆に途方もない金額が転がり込んでくることもあります。
 
年功序列=終身雇用は上記の逆なのです。
①結果を出すかどうかよりも、年功序列で全てが決まる。だからできるだけミスしないように事なかれ主義に収斂するようになります。
②契約書が事実上ない。成果の査定方法が曖昧というより、記載もされていない、というよりそもそも契約書見たことあります?
③時間を管理するのは組合と会社との団体交渉。組合のない会社は悲惨です。契約がないので、法律以外に守ってもらえません。交渉なんて夢です。このあたりは最近変化の兆しありですが。
 
まあ、終身雇用の悪口ばかりに聞こえるでしょうけれどいいところもあります。なにせ会社は簡単にクビにできないので、仕事に集中できるというのが大きい。いつクビになるかわからないって、すごいストレスです。日本人弱そう〜。
 
まあ、世に言うブラック企業裁量労働ですらなくバイト契約で長時間だったりするから論外だけれど。
 
さて、裁量労働年功序列を端的に比べてみると、
(わかりやすくプロジェクトの3要素。品質、コスト、時間で)
 
労働時間
これは裁量労働のほうが長くなる傾向にあります。これまでの年功序列だと法律で上限が決められているのでそれ以上はできません(ということになっています、、、)。でここにいち早く切り込んで大失敗した企業が富士通でした。いろいろな意見があると思いますが、日本人に合わない、と決めつけるのはどうかと思います。あくまでも個人的な体験からなのですが、ただ単に契約の結び方、査定の方法がダメだったのではないかと想像しています。(※様々な書籍で検証されているので紹介しておきます。)かくいう私も事業設計企画職で長時間労働をやっていましたが、100時間「超」はルーチン(標準時間)でした。忙しい時にはもちろんそれに上乗せです。作業そのものも多いし、アイデアを形にするのはものすごいエネルギーと時間がかかる。そんなの人によりけりだから、簡単に査定できません。マジできつい。

 

内側から見た富士通「成果主義」の崩壊 (ペーパーバックス)

内側から見た富士通「成果主義」の崩壊 (ペーパーバックス)

 

 

 
品質
うーん。日本式が一定の成果を上げているのは事実ですので単純に甲乙つけるのは難しくなります。
(いわゆる職人芸が必要とされる場合)日本型はどちらかといえば物向き、と私も考えていましたが、サービスにも職人芸があります。
日本でいう職人、ドイツのマイスター。いろんな専門職がありますが、これは長く続ける必要があり、どちらかというと年功序列+徒弟制。この辺が日本人にぴったりなのが不幸(見方を変えれば幸福)の始まりなのかな。もちろん職人として手に職をつけてしまえばその業界では生きていくことが可能。日本人はそれをどんどん機械に置き換えているので、近い将来ブレークスルーしちゃう可能性がある。働いているのは基本ロボットです、なんていう世界がすごそこまできている。おそらく、日本、ドイツ、アメリカ(工業化の基礎を担っているのはドイツを始めとする移民)はその先頭に立つ可能性が高い。つまりアセンブリ(組み立て)だけじゃなく、すり合わせ、が必要。
(新規事業を立ち上げて成果に収斂させる)
こちらはどちらかといえば裁量労働に軍配。考える力=ロジカルシンキングが必要。わかりやすいのが放送・広告業界。とにかくアイデアを出しまくってそのうち1つ2つがものになるパターン。しかも思いついても気の遠くなるプロセスをくぐり抜けてやっと形になる。よく、アイデア一発のように捉えられがちだけど、気の遠くなるロジカルシンキングの向こう側にアイデアが生まれる。これは経験した人なら分かると思います。とことん突き詰めてみて、散々失敗した先に、現れるんです。
無限の失敗の上に成り立つ成功。こちらは本当にきつい。俗に言う千三つ(0.3%)。スポーツもそう。成功する人なんて限られた人のみだ。
広告に話を戻すと、喫茶店でアイデアを考えていても仕事といえば仕事だし、傍目にはプライベートとも言える。しかもやった分だけ成果が出るかどうかはわからない、ときた。つまり一日中仕事している時すらあるのだ。で、成功しても正当に評価されるかはわからない。アイデアだって上司によって全然評価が違う。ずばり、あたりはずれがある。その辺は実力(実績と才能)のない上司に何言われてもへこたれない胆力が必要です。
 
コスト(原価と利益)今回は人件費でみてみると、
どんな場合でもこのお金には悩まされます。
年功序列の場合、能力の低い人や働かない人、結果の出せない人も一括りにして安定するバランスを保っている。その点では非常に日本的だ。ダメな人にはラッキーだし、できる人には(悪い意味で)たまらない。今まではそれで良かったのだが、どうも最近雲行き怪しい。
裁量労働の場合、できる人にお金が集まるシステム。セーフティーネットは寄付や教会によって担保される。
プロジェクトコストでみると裁量労働=契約重視→プロセス重視のほうがクリアな感じだ。日本式の予定調和だと最近事例に事欠かないような気がする。繰り返すが、成長著しい上り調子の時はそれでも良かった。でももうその時代は終わったのだから、新しいシステムを世の中は求めているように感じます。
 
まあ、最終的な結論はもっと先にならないとわからないと思うんだけど、裁量労働制=欧米型、を経験した身から言えば、いくら契約通りとはいえ、業績評価により今回のボーナス0円ね。はさすがにきついです。
個人的な希望ですが、年功序列=日本式をブラッシュアップしていったところに回答があるのではないかと感じている今日この頃です。