映画|マネー・ショート The Big Short
2007年のサブプライムローン 破綻の物語だ。
監督:アダム・マッケイ
出演:マイケル・バーリ役:クリスチャン・ベール
マーク・バウム役:スティーブ・カレル(スティーブ・アイズマンがモデル)
ジャレッド・ベネット役:ライアン・ゴズリング(グレッグ・リップマンがモデル)
と、かなり実在の人物を下敷きに物語を作り込んでいる。
もちろんサブプライムローンの破綻もリーマンの破綻も実際の事件なので、いわゆるバックストーリー(背景)物だ。
それにしても、日本のバブルをバッカじゃねーのってアザ笑っていたウォール街が、同じ住宅バブルでドッカンなんて滑稽だけれど、バブった背景は違っている。日本の場合は1985年のプラザ合意で切り下げられたドル、円から見ると240円から120円にしてアメリカが日本の貿易黒字を半分にしちゃえってことだったんだけど。レーガン大統領に無理やり飲まされたとはいえ、さすがにやべーと思った日本政府は金利を上げると不動産バブルがドッカン。気がつくと一人当たりの所得がアメリカを超えちゃったのが日本のバブル。
で、アメリカの場合は同じ住宅でも高利のローン債権によるバブル。確かに日本も借金しながらの投資ではあったけれど、アメリカの場合は借金できない人への住宅ローン融資が元凶。そういった債権はサラ金並みの評価なんだけど、日本でいう住宅金融公庫のような優良債権とカクテルにして、さらにレバレッジをドン(100万円で2000万円投資できますとか)、した怪しい債権セットを大手債権会社が売りまくっていた。そのうち1社のリーマンブラザーズは無くなっちゃった。
そしてごく少数のキーマンがそのヤバさに気づいて、空売りしまくるってのがこの映画のストーリーだ。みんな買いまくっている時に、高い手数料で空売りしまくっているわけだから、まあ、誰からも相手にされない。もし自分だったらどうしているかと考えると、その他大勢と同じように大損ぶっこいてるんだろうと思うとちょっとこわい感じがする。日本のように自分の投資が吹き飛ぶどころの騒ぎじゃなく、100倍200倍のレバレッジで借金しちゃうことになるからだ。
そうそう、実在の人物をモデルにしているバウム役のブラピもいい味出してます。
秋の夜ながに経済コメディー、もといドラマを見るのもオツかもしれません。