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Consideration of an office worker living in Tokyo

時事、イギリスのEU離脱

時事

損得勘定の問題なのだろうか。いや、日本からは見えない現地の肌感覚があるはずだ。少なくとも今のEUの制度は域内の関税が自由だから、生産能力の高い国が一人勝ちするシステムだ。だから事実上のEU=ドイツ共和国が成立している。
仮に、もし、で想像をたくましくすれば、同じ地域に日本がいてもガチ勝負になるかは未知数だ。それは日本がアジア人だからである。日本はいつもこの白人村からの迫害に対抗する形でがんばってきたのだ。太平洋戦争もそうだ。日本が開戦した時点で、殖民地化されていないのは日本とタイのみだった。その二つともが未だに国王を持っているのにも理由があるかもしれない。あのとき日本は、殖民地になるかどうかを白人村から迫られていたのだ。最終的に世界支配から凋落のただ中にあるイギリスのチャーチルにはめられる形で、アメリカと日本は戦争することになった。(この辺の経緯は実に様々な考え方があり解釈の仕方は人それぞれということにしておいてもらいたい。)そう、戦争したかったのではなく、植民地がいやならそうするしかなかった。が正解だ。

 

話を戻せば、、イギリスは、一旦振り出し=EC、に戻ることを決断した。
現在イギリスをはじめとするヨーロッパ諸国にはおびただしい数の移民がいる。それはローマ時代の奴隷商人が暗躍した時代からの伝統だ。とくに最近の移民問題は、ギリシャ危機をスタートとしている向きもあるが、直近の節目の始まりは、第一次大戦までさかのぼる事になる。
 
一時大戦後の人手不足を補うため、大量の移民を受け入れ始める。今に始まったことではない。決定的なのは第二次大戦だ。ヨーロッパ人は、同じように移民で帳尻を合わせたのだ。
 
ふつふつとゆっくりたまったマグマに火をつけたのは、ギリシャ危機であり、そのギリシャ危機を演出したのはEUの枠組みと、強いドイツ経済だった。まじめで技術のあるドイツ人と同じようには働けず、技術で勝てないギリシャが同じ土俵では勝負にならない。しかも通貨政策が域内では自由に決定できないのだ。あっという間にギリシャ国内にバブルを起こして利益を吸い取られ、そして破綻した。(ちなみにアメリカは韓国に同じ経済搾取をしている)それを契機に難民と経済移民の区別のない大移動が始まった。(アメリカはツケを日本に払わせようとするだろう)
 
アジアから見ると白人の自業自得に見てしまうのだが、日本だって人事ではない。破綻寸前の国が真隣に3カ国もあるのだ。ただ、ヨーロッパとの最大の違いは間に海があることだ。だからなかなか表面化しない。地続きならとっくに始まっているだろう。中国人富裕層や事実上米系外資系銀行に乗っ取られた韓国は海外移民が始まっている。日系のメディアが報道しないだけだ。
 
昨年まで仕事をしていたインドシナ半島(このインドと中国の間の半島、って呼び方もすごいけどね)のベトナムでも、日本人1万人に対し、韓国人は10万人であった。ところが仕事で韓国の人をそれほど見ることはない。建設現場ではむしろ少ないぐらいだ。じゃあ、なぜ?である。もうおわかりだろう。一つの仮説として浮かぶのは、彼らは仕事だけできているのではなく、事実上の準移民として来ているのではないかということだ。人口5千100万人の韓国は国内需要だけで経済成長する限界を分かっている。諸説あるが内需で「回す」為には、1億人は必要だというのが個人的な意見だ。そのくくりで見ていくと下記の世界銀行の貿易依存率を見る上で有用だ。国土が豊かで人口が多ければ、内需依存率が高くなる傾向が有るのだ。
 
ちなみに対GDP内需依存率のランキング(世界銀行2015年資料)では、日本はトップ10どころか100にも入っていない、158位(18%)だ。G7ではドイツが41位(47%)、イギリスが116位(27%)ぐらいで。アメリカが170位(13%)。韓国は42位で46%を輸出に依存している。香港2位(201%)、シンガポール3位(176%)で想像通りだ。

 

Data Source

2015(%)

 

1

Luxembourg

214

 

2

Hong Kong SAR, China

201

 

3

Singapore

176

 

41

Germany

47

 

42

Korea, Rep.

46

 

53

Euro area

45

 

90

Italy

30

 

94

France

30

 

97

Armenia

30

 

98

Russian Federation

30

 

101

World

29

 

116

United Kingdom

27

 

139

China

22

 

158

Japan

18

 

170

United States

13

 

179

Sudan

7

統計末

 
つまり日本は市場規模が大きすぎて、内需でなんとかなるスーパー内需国なのだ。資源のない島国でここまで内需が発達している国は少ない。逆にドイツの47%の依存率は韓国と大差ないのが意外だった。実はこの数字は結構きつい。経済情勢の影響をもろに受けるからだ。


だからなのか、個人的に今回の離脱にかんしては驚きがなかった。

もともとイギリスはシェンゲン協定(自由な入出国)には加盟せず、通貨協定にも入っていなかった。経済協定(関税フリー)のみだったのだ。ところがこの関税フリーはすごく大きい。なにせ貿易に関しては国内感覚だ。ヨーロッパ大陸では通貨も共通だから経済に関してはまさに国内感覚。じゃあ、純粋な国内と何が違うのか。

「富の再分配」がないのだ。

日本に例えれば、東京一局集中で労働者がどんなに集まっても、税金(集められた富)は全国津々浦々に再分配するシステムがある、分配の仕方に不満はあってもそれを決める議員は国民の投票によって決められる。完璧ではないが、まだ納得できるところがある。ところがヨーロッパではそれができない。移民を受け入れてガンガン生産してヨーロッパ中に製品を売りたいとする。もちろん競争だから強い国と弱い国が出てくる。そしてダントツで生産力が強いドイツが一人勝ちしているのが今のヨーロッパなのだ。もともとフランスが仕掛けて、ドイツと一緒に同じことをしようと企んだのに、やはり実力の差が出てしまった。

真面目にコツコツやる国には勝つことはできない。これは絶対的な法則だ。

ドイツはかき集めた富を再分配しない、というよりも今のシステムではできない。皮肉なことに、ヒトラーが実現しようとした第三帝国が経済面では実現してしまったのだ。となると、ドイツずるい!となってしまう。だから再分配しないのなら代わりに移民受け入れろ!となるのだ。予想通り国民の反発が起き、受け入れはストップしている。途中経路のトルコには移民が滞留して、踏んだり蹴ったりだ。えっ、ドイツが受け入れるんじゃなかったっけ、状態。イギリスはドイツ、ずりー、状態だから、ドイツさんよろしく。だと思っていたら、イギリスも受け入れろ。ときた。生産力で逆立ちしても勝ち目ないのに、プライドは高いから、面白くない。

事実はもっと複雑だけれど、ヨーロッパの混迷はしばらく続くし、長引く。なにせヨーロッパの中でもドイツとイギリスの中国投資が抜きん出ているからだ。中国が調子悪くなれば呉越同舟だ。

イギリス経済を見る際のキーワードはヨーロッパだけではなく、中国も入れるべきだろう。