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Consideration of an office worker living in Tokyo

食べ歩き|新宿 うな鐵でお重をいただく

2015年の年初。約三年の海外滞在でたまりにたまった日本食へのストレスを発散しに新宿のうな鐵に向かう。その日は赴任先から一時帰国し、白金の北里病院に近い長期宿泊タイプの貸部屋に宿を取る。もうこのころから、ハイシーズンはホテルが満室稼働で長期滞在など望むべくも無かった。なもんで外人が多い。日本に帰ってきたというのに異国情緒たっぷりだ。一ヶ月前ぐらいでは予約は不可能なのだ。状況が変わったのだ。


建て替えを迎えたコマ劇を横目にすすむと、いわゆる歌舞伎町の入り口に、うな鐵はある。
久しぶりのうなぎに躍る心を抑えるために、燗酒を頼み、出来上がりを待った。おっ、きたきた。これがうな鐵のお重だ、

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いいねぇ、あっという間のぺろりだった。

日本のウナギを職人が丁寧に焼き上げると、ほろほろと口の中で崩れ、白米と混ざり合う。海外では味わえない感触だ。この蒸し加減・焼き加減は日本人特有なのだ。少なくとも外人でこのデリケートな焼きが出来る職人に出会ったことがない。あ~ニッポンだ~、と酒をちびり。海外で暮らしていると、当たり前のニッポンがとても大切な物に思えてくる。私の場合は不思議なことにウナギでそれを確認する。あとはやはり、寿司だろうか。微妙すぎて外人にはわからないのかもしれないし、感じ取れる外人は"この日本"に惚れるのだろう。しかし、日本人の五感はきっちりその違いをかぎ分ける。
あとは、関東の"たれ"。焼き鳥を何でも塩にする輩が増えたのはいつの頃からだろう。基本は"たれ"で、塩が適している物はそうする。それだけなのにね。っと、説教おやじだよ、全く。。

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外にでると、ほろ酔いに新春のつめたい風が妙に気持ちがいい。
時期も時期で人通りがまばらなのもいい感じだ。

さて、まだ薄暗いから、世界堂で画材でも物色してから帰るとしますか。
急いで帰っても安宿の部屋では落ちつかないのだから。